禿生海峡冬景色

山形在住【食いしん坊中年男子】の平穏な日常に突如襲いかかる妻子と愛猫の嘔吐!そしてその内容物について…

2009年09月

味むら

住所:山形県山形市大字松原48
テーブル上の調味料:醤油、ウスターソース、一味唐辛子、コショウ、辣油、酢
ティッシュの有無:店内あちこちBOXティシュ
画像:醤油ラーメン 550円、かきフライ(単品350円+定食200円)550円

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ラーメンを頼むと驚いた事にドドドッと小鉢が7つもついてきた。どれもメタボ中年男にはありがたい野菜中心のラインナップで、スーパーの惣菜とちがい新鮮でシャキシャキしている。リーズナブルとかいうレベルでなく、これが半田屋系の小鉢一品いくらの店だったらいくらになるだろう?と想像しただけでゾッとする。

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大きな海苔をペロッとめくると、現われたのはアッサリ系の中華そば。ノーマルな中細麺は茹で加減よくコシがあり、スープは優しく色んなダシが香る。厚めのチャーシューとコリコリのメンマにプラスして、たっぷりのもやし…ここでもまた野菜がとれるのだ。

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夜は飲み屋らしく、品書きにズラッと並んだ単品料理を「定食にしてください」と頼むと、これまた小鉢がドドドッと出てくる出てくる…なんとゴハン味噌汁を足せば10皿!きゅうりとみょうがの浅漬け、筍の炒り玉子、茄子の肉味噌、もってのほか、小松菜おひたし、おろし納豆、南蛮味噌のせ冷や奴、菜っ葉しらたき油揚げの煮びたし…どれも味付けは薄く、いかにも田舎料理な甘辛さはないので、量が多いわりに食後感がスゴくいい!メインの単品料理が無くてもこれだけで550円とれるのでは?思わずそんな事を考えてしまう、まさしく“ありえない”レベルの定食である。

おそらく店のおかあさんが自分で畑をやってるか、野菜を安く入手できるルートをお持ちなのだろう。そんで夜、飲み屋形態になってる事もあり、前夜の残りの惣菜を翌昼のお客さんに出してあげたり、「これも食べてみて」感覚で小鉢を増やしてるうちにこうなっていったのではないか?と考えられる。にしても多過ぎる…旧道からさらに細路地に入った、ホントに地元の人しか知らないような店だったからこそ、こんな奇跡の定食が存在できていたのだろうけど、これ…営業職サラリーマンが毎日大挙するようになったりしたら、小鉢8個は無理だろうな…だって、定食たった1食で洗い物11皿も出ちゃうんだもん。

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実は、普通の定食メニューはそれほどリーズナブルではない。トンカツロース定食(800円)、生姜焼定食(800円)、エビフライ定食(1,000円)etc...しかし、ほっけ・さんま・春巻き・サーモンフライあたりの単品350円ラインナップを定食にすると異常事態発生!となるわけだ。麺類は、味噌ラーメン(600円)、焼きそば(500円)、冷やしざる中華(600円)、肉うどん(600円)等。大盛り各種100円増。

 

死ねばいい

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 『夕凪の街 桜の国』こうの史代/双葉社刊

こうの史代を初めて知ったのは、『さんさん録』という作品だった。妻に先立たれた初老男性とその息子家族のコミカルでありながらジンワリ心暖まるドラマで、フリーハンド色の強い柔らかな線とスクリーントーンをほとんど使わない野暮ったさのある絵柄に強く惹かれた。(特に乃菜という孫娘が、一重でいつも口をとがらせており、実に不細工不愛想で可愛いのだ)

それからしばらくして、こうの史代の代表作がこの『夕凪の街 桜の国』であり、なんと2004年に手塚治虫賞をとり、2007年には映画化までされていると知った。広島出身のこうのの描いたヒロシマの原爆にまつわる物語。この作品を描くに至った理由について、文庫本のあとがきから少し抜粋してみる。

ーーーー「ヒロシマを描いてみたら」というのは、編集さんの提案でした。三年前の夏の事でした。売れない作家らしく安請け合いしたものの、描ける自信はまるでなく、むしろ編集さんや夫が気安く「やってみれば」と口にすることが不思議でした。というのも、広島出身のわたしは、原爆について、描くどころか知ることすら「おこがましい」とずっと考えてきたのです。学校などで見聞きする体験談は「あの日のことは思い出したくない」で必ず結ばれ、「遭ってない者には判りっこない」ということだけは確かだったからです。しかし、原爆について調べるにつれ、「思い出したくない」「語りたくない」からといって、「知って欲しくない」わけでは決してない、ということがだんだんと判ってきました。また、遭っている者ならすべてを知っている、というわけでもないことも。そして、わたし達は伝えるぐらいの役割はせめて負うべきなのだ、と感じる事が出来るようになりました。ーーーー

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ボクは子供の時、正義感の強さから平和教育にいれあげていた母親によって強制的に原爆に関する映画や絵本・漫画・写真などを大量に見せられており、それが大きな恐怖として今も心に大きな穴として残っており、そういった情報に接する事を極度に怯えている面があるのだが、まあなんつーか、絶対接したくないと思いつつも、拒絶してるだけでは自分の中の穴も癒すことは出来ないであろうというのも…さすがに、この歳になれば判ってしまうものであって…そんな中で、この自分と同じ歳の優しく暖かい作風の漫画家ならやってくれるんじゃないかと!原爆に対する、残酷・無惨・悲哀というイメージ以外のドラマを与えてくれるんじゃないかと!そんな、淡い期待を持ちつつ手に取ったのでした。

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『夕凪の街 桜の国』は、3部の短編から成っている。第1部『夕凪の街』は、終戦10年目の広島が舞台。多くの原爆文献やドラマで語られ伝承民話のようになっている、被爆者の悲話である。回想シーンの中で、被爆者や遺体も出てくるがデフォルメされており、目を背けたくなるようなリアルな気持ち悪さはない。こうのらしい柔らかいドラマが、突如としてブツンと断絶し、戦争が作り出した不条理な悲劇が読み手の心に深く沁み入ってくる。第1部から30年後を描いた第2部、さらにその17年後の第3部は、現代劇『桜の国』として、関東地方で生活している所謂“被爆二世”の物語。短編の割に多くの登場人物の内面を描こうとしているのと、第1部『夕凪の街』のキャラクター達と凄く絶妙な距離感で繋がっているので、それを理解するのに少し時間がかかるが、単純に“原爆モノ”とはいえない人生のドラマを構築している。

この作品の素晴しいとこは、何より2つの異なった舞台を基にしたドラマを並べる事によって、『夕凪の街』を単なる悲話で終わらせずに済んでるし、『桜の国』の主人公達家族の明るさの奥に潜む影が、原爆という「“死ねばいい”と誰かに思われた」ものである事を強く意識させる事に成功しているという事に尽きるだろう。特に、上にも絶妙と書いたが2つのドラマのキャラクターの交錯し方が、近過ぎず遠過ぎずで丁寧に距離が測られており凄く感心した。ネタバレしてもいいのだろうが、実際本を手にした方が「あれ、このじいちゃん誰なんだ?」とページを遡ったりするのも、この漫画の面白いとこだと思うので、あえて伏せさせていただく。

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そんで、読んでみてボクのトラウマはどうなったか?というと…まあ、当たり前だけど漫画1冊で消え去るようなものではないわけです。だけど、この漫画本を捨ててしまおうかと見えない場所に放ってしまおうかとは思わなかった。自分の書棚に置いてもいいかなと、感想を文章に纏めてもいいかなと思った。あと何十年かかるかは分からないけど、こんな本がボクの本棚にズラッと並んだ時に自分の穴も埋まるのではないかと…そんな風に感じております。是非とも小学生のお子さんをお持ちの方には、原爆なり戦争の悲惨さを伝える漫画を子供に手渡す時は、『はだしのゲン』でなく『夕凪の街 桜の国』を!まずは、『夕凪の街 桜の国』を与えていただきたい!と、残酷・無惨・悲哀だけで思考ストップしちゃわない、原爆について戦争について長く深く思考を巡らす事のできるお子さんに育てていただきたいと思う所存でございます。

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ちなみに漫画を読んだ後に、映画版『夕凪の街 桜の国』も見ました。漫画よりストーリーが整理されており、わかりやすい作りになっていたが文部省推薦“原爆映画”の範疇からは突出していない印象。被爆者や遺体の表現もボクはダメでしたね…見てからしばらく、夜ひとりでトイレに行けなくなったぜ!でも、麻生久美子の薄幸感バリバリながらも朗らかなな皆実は、とても良かった。

  

 

CBJAM'09 その後

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一週間更新しないと少しアセる

アイクラさんがCBJAM'09のレポートを書いてくれている。知らない人ばっかのイベントに単身乗り込んで「ドキドキしたけど楽しかったぜ!」な感じを真剣に伝えようと一生懸命書いてるのが届く、いい文章だった。アイクラさんは、牛丼メガ盛りの2倍!牛丼キングを食べても「15分で完食、若干余裕アリ」とか書いてる人なので、絶対巨体…っていうかデブオヤジであろうと思っていたが、今風イケメン男性だったので度胆を抜かれた。もう一度言おう「度胆を抜かれた」。

ステレオカセットキングダムのNonsenceさんもCBJAM'09のレポートを書いてくれている。Nonsenceさんは当日DJもやってたんだけど、やっぱどことなくサブカル臭漂う感じで実に良かった。一曲目が清志郎だったんだけど、ああいうシュチュエーションで大きな音で清志郎の声を聞くとグッとくるものがあった。DJって楽しそうだな…ていうか、間違いなくボク好きそうだな。他人に自分の好きな曲を無理矢理聞かせるのとか大好きだもん!何度か酔っては、DJしてる友人に「DJってどうやるの?」って質問してるけど、理解できずにいる。近いうちにシラフで聞いてみよう。

babydriverさんは、まだCBJAM'09レポート書いてないけど、今年は去年とちがいそれなりに写真も撮れてたみたいなので、きっと書いてくれるものだと信じ待ち続けたい…とか言ってプレッシャーをかけときたいと思う。今年の成功したメニュー、失敗したメニューみたいな趣向のを是非読みたいです!期待してるぜ。

 

CBJAM'09 写真

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いんや~今年も楽しかったなチェリージャンボリー。半田くんも言ってたけど「あっという間」って感じだった。もっと色んな人と話したかったし、飲んでいたかったし、食べてないものもあるし、写真も全然撮り損なったシーンがいっぱい…実に名残惜しい。

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でも、ドカンと酔って信じられないくらい早く寝てしまった去年の雪辱だけは果たせたのが嬉しかった。今回は、最後の最後まで起きてたからね~何人もの人に「え、まだ起きてるの?え?」と驚かれたし。どんだけ早寝キャラになっちゃってんのよ、ボク!

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前日夜とか、かなり寒かったからどうなる事かと思ってたけど、雨も降らず気温もそれ程下がらずで、過ごしやすい良い陽気だった…ホント、パーフェクトな天候だったなあ。雲の間に月がポッカリ浮いてて、そんな光景も心地良かった。

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そして、恒例のキャンプファイヤーは今年も凄かった。初めて見た人とか、目をキラキラさせながら歓声上げてるのを眺めてると、炎の力に改めて気がつかされる。キャンプファイヤーを組んでくれてる庄司くんのお父さんが、また凄い輝いててカッコイイんだ!

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ライブアクトもボリュームといいテンポといい、今まででベストだった気がする。

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マカロニも半田くんも、いい意味で地に足のついた感のある演奏だった。できる事なら、それぞれ2時間づつくらいやってて欲しい感じ…やっぱ、生音の演奏は撮ってても飲んでてもテンション上がる。

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毛玉工房もみんなフレンドリーに覗いては「これ何?」とか声かけてくれて、場に馴染んでた。去年も買ってくれたお客さんが、今年も利用してくれたりっていうのも嬉しい。

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babydriverさんの店も、始まるまでは「どうなることか?」と心配だったけど、チームワーク良くてすごくいい感じだった。もちろん、味もボリュームも多くのお客さんから大好評!チーズハムカツ作るのに、その場で巨大なハムをスライスしだした時は「こりゃ、今年も…」とドタバタだった去年を思い出してしまったけど、そんな心配は必要なし!あ~あの、チーズハムカツ今すぐもう1枚食いて~

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どこのお店も参加者が気軽に覗ける雰囲気が良かった。全体的にこじんまりとした空間だったてのもあるけど、出店者も参加者もどこかで誰かの友達の友達って繋がってる感覚があるので、遠巻きに観察してないでスッと入ってけるような空気がある。

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下の写真は、プログラムの一番最後であるジュンの童話朗読。深夜4時、しっかり聞き入ってる人は7名だった…2つのお話しを読み終え「おやすみなさい」とステージを降りて照明が消されると、空はもう明るくなっていた。飲み足りない人は、そこらに転がってるワインのボトルを傾け、語り足りない人は、キャンプファイヤーの残り火を囲んで話し続けていた。年に一度のお祭り、それぞれの燃焼計画が終わった。

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山の露

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一週間更新しないと少しアセる

基本的にボクの場合、妻に愛されているという事実だけが自分の自信となり、それを原動力にグダグダと理屈を語ったり、どうだ!とばかりに大してうまくもない写真を載せたりとかしているわけだ。「このマンガのここがおもしろい!」なんて揚げ足取られやすいネタも、どこにそんな大きな声で世間の皆様に向かってアンタまあ随分自信たっぷりに…っていう「その自信はどこから?」と問われれば、どんなに変な事書いちゃっても、知ったかぶりが露呈して笑われ者になっても、我が妻だけは「ドンマイ、ドンマイ」と変わらずいてくれるという確信があるから、味方でいてくれると思い込んでいるから、いい気になってカタカタカタカタと自分の思い込みを綴っていられるわけなんだわな。

なので、こうしてタマに大きな夫婦喧嘩をしたりすると、途端に何も書けなくなってしまう。

ただ、パソコンの前で肩を落とす40歳中年太り男性が一匹…といった状態になってしまう。世の中の不特定多数の方々に対して、自分が何か主張するだなんてとんでもない!無いです!無いです!何も考えて無いです!てな、具合になってしまう。恐ろしいね…そして、小さいね。ラブパワーって言うのかな?あ、言わない?言わないね…なんか卑猥な商品名みたいだもんね。じゃあ、ストレートに…あ、愛の力ですか?まあ、甘えとも言えなくないですが、とにかくそいうモノを与えてくれている妻に感謝感謝の明け暮れです。今までも、そしてこれからも…

というわけで、仲直りぽい感じにもなってきたので、明日あたり大量に撮影したCBJAM'09の画像をパラパラ載せてみようかと思っております。以上

 
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