ジュンの手術を控えた去年9月、術後は正直どうなるかわからなかった事もあり体力を損なわない程度にパッと遊ぼうと思い立ち、2人で仙台に泊まりで呑みに行った事があった。居酒屋をハシゴし美味しいビールを飲みながら「手術が無事終わったら、また来よう」と約束したのだが、3月の大震災があり伸び伸びになっていた。んで8月、『仙台七夕まつり』のタイミングに合わせ約1年ぶりに遊びに行って来た。
『仙台七夕まつり』って初めて来たんだけど(ニュース映像なんかでは見た事あったけど)、アレなのね…吹き流しのついたくす玉のでかいやつが、アーケードとかにグワーッっていっぱいあって、それをただ見て歩くという…そういうお祭りだったのね。
祭りの様子は写真のとおり、グルグルと長い時間歩き回って見物しながら道端の露店で買ったビールを飲んだ。アーケード内には、所謂“テキ屋”はいなくて普段からアーケードで商売してるお店が、それぞれ工夫した品を安価で販売しててとても楽しめた。宝くじ売場で、震災復興くじを購入。
「そろそろ良さげな居酒屋にでも入って、腰を据えて飲もうや」という話になってからも1時間以上歩いた。東北一の歓楽街である国分町も細かく見回ったのだが、意外と我々にとっての安くて美味しい居酒屋の指針である“薄汚れてはいるけど客入りのいい店”というのが見当たらない。小奇麗な店構えで看板に『味自慢』だの『元祖』『秘伝』なんて筆文字が踊る店はたくさんあるのだけど、そーいう店はハッタリだけで味はたいした事ないってのが、ボクの個人的な定説なのでパス。
彷徨い過ぎて、ジュンが「もう一歩もあるけない」と泣きそうな顔でしゃがみこんだり、十字路でどっちに進むか「どっちに行っても良い店が見つかる気がしない…」とガックリ膝をついたりと…まあ、でもボクはこういうの好きなんですけどね。ホントに女房が竹を割ったような性格で「もう、チンタラしてるのは嫌!どこでもいいから入ろうよ!」みたいな人じゃなくて良かったなと思います。優柔不断バンザイ!
そんなこんなで、悩み苦しんだ末に入った店が良い店かというと、そーいうわけでもなく「しょんぼり」だったりする事の方が少なくないのですが、今回はなんと大当たり!2軒ハシゴしたのですが、どちらも「また是非来よう!」と思わせられた良店でした。
一軒目は、東一市場にある『ぼんてん酒場』。立ち飲み屋スタイルで、メニューは全品300円。一見すると、最近ありがちな昭和風大衆居酒屋を装ったチェーン店に見えなくもないが、せまいカウンターを埋め尽くす熟年男性の眼光や、中で動き回る店員さんの佇まいから「本物だ」と思わせるオーラが感じられる。
炙り〆鯖。ポイッと添えられたワサビが本山葵、ツマ替わりに置かれたかのようなネギに醤油をたらし、〆鯖と共に口に放り込むと…酸味!脂!醤油!シャキシャキシャキ…と実に美味しい。
刻みネギたっぷりの煮込みは、なんと牛モツ!しかも300円なのにモツたっぷりで驚いた。
串物も何品かいただいたんだけど、これは“豚みょうが”。美味しかったなあ~豚の脂と味噌が、みょうがの強い香りといい感じ闘っていてナイスマッチング!
二軒目は、稲荷小路の焼鳥屋『くろ田』。何度か店の前を通ったが満席だったので、「ここは…!」と目をつけていたが、一軒目を出たタイミングで通りがかったら丁度席が空いていたので滑り込んだ(後から常連の方に「あの時間で入れてもらえるなんて珍しい、あなた達ラッキーね」と言われた)。
「うちはセットだから…」というので、それでお願いする。飲み物(ホッピー)と一緒に煮込みが出てきた。
チゲ鍋のような辛味噌風味の煮込みには、定番のモツ以外にも内臓の色んな部位が入っていて愉快…ホント、居酒屋好きにとっては、こういう特殊で美味しい煮込みって楽しいのよね。愉快愉快!
焼鳥もレベル高かったなあ…全て塩味で、コリコリシャキシャキ!焼いてもなおビンビンに伝わる新鮮さ、強めの塩から頑固な主人の揺るぎない人柄が伝わってくるようで良かった。
どちらの店も馴染みらしき地元のお客さんが楽しそうに呑んでらしたのですが、聞こえてくる話は、やはり震災の話題が少なくないようでした。「半壊か全壊判定か、明日もう一度役所が見にくるんだ」「誰それは車が流されたって」「実家が流されたよ」、泥酔した男性が大きな声で「俺は死んでたかもしんねえんだからな」と言えば、連れの男性も「俺だってそうだよ」とつぶやく…「だから、呑もうぜ」「カラオケ行こう」と肩を組み千鳥足で店を出て行く。
国分町のホテルで一泊、翌日は三井アウトレットと名取イオンモールで買い物。仙台港から名取方面へと海岸線と平行に走っている県道を運転していると、道の両側には未だ一階部分が流されたまま佇む家屋や、曲がった電柱がそこかしこにある。恐い…TVや写真で見るのとは明らかにちがう恐怖を感じる。イオンモールの手前には、仮設住宅がズラリと並んでいた。自分の家がそうなったら…自分がそこに住む事になったら…現場を自分の目で見るという事は「もしも」を胸に突き付けられる行為だと改めて思った。せめてもの…あまりに小さな“せめて”だけども、たくさん買い物して、たくさん食事をしてから帰路へとついた。
『仙台七夕まつり』って初めて来たんだけど(ニュース映像なんかでは見た事あったけど)、アレなのね…吹き流しのついたくす玉のでかいやつが、アーケードとかにグワーッっていっぱいあって、それをただ見て歩くという…そういうお祭りだったのね。
祭りの様子は写真のとおり、グルグルと長い時間歩き回って見物しながら道端の露店で買ったビールを飲んだ。アーケード内には、所謂“テキ屋”はいなくて普段からアーケードで商売してるお店が、それぞれ工夫した品を安価で販売しててとても楽しめた。宝くじ売場で、震災復興くじを購入。
「そろそろ良さげな居酒屋にでも入って、腰を据えて飲もうや」という話になってからも1時間以上歩いた。東北一の歓楽街である国分町も細かく見回ったのだが、意外と我々にとっての安くて美味しい居酒屋の指針である“薄汚れてはいるけど客入りのいい店”というのが見当たらない。小奇麗な店構えで看板に『味自慢』だの『元祖』『秘伝』なんて筆文字が踊る店はたくさんあるのだけど、そーいう店はハッタリだけで味はたいした事ないってのが、ボクの個人的な定説なのでパス。
彷徨い過ぎて、ジュンが「もう一歩もあるけない」と泣きそうな顔でしゃがみこんだり、十字路でどっちに進むか「どっちに行っても良い店が見つかる気がしない…」とガックリ膝をついたりと…まあ、でもボクはこういうの好きなんですけどね。ホントに女房が竹を割ったような性格で「もう、チンタラしてるのは嫌!どこでもいいから入ろうよ!」みたいな人じゃなくて良かったなと思います。優柔不断バンザイ!
そんなこんなで、悩み苦しんだ末に入った店が良い店かというと、そーいうわけでもなく「しょんぼり」だったりする事の方が少なくないのですが、今回はなんと大当たり!2軒ハシゴしたのですが、どちらも「また是非来よう!」と思わせられた良店でした。
一軒目は、東一市場にある『ぼんてん酒場』。立ち飲み屋スタイルで、メニューは全品300円。一見すると、最近ありがちな昭和風大衆居酒屋を装ったチェーン店に見えなくもないが、せまいカウンターを埋め尽くす熟年男性の眼光や、中で動き回る店員さんの佇まいから「本物だ」と思わせるオーラが感じられる。
炙り〆鯖。ポイッと添えられたワサビが本山葵、ツマ替わりに置かれたかのようなネギに醤油をたらし、〆鯖と共に口に放り込むと…酸味!脂!醤油!シャキシャキシャキ…と実に美味しい。
刻みネギたっぷりの煮込みは、なんと牛モツ!しかも300円なのにモツたっぷりで驚いた。
串物も何品かいただいたんだけど、これは“豚みょうが”。美味しかったなあ~豚の脂と味噌が、みょうがの強い香りといい感じ闘っていてナイスマッチング!
二軒目は、稲荷小路の焼鳥屋『くろ田』。何度か店の前を通ったが満席だったので、「ここは…!」と目をつけていたが、一軒目を出たタイミングで通りがかったら丁度席が空いていたので滑り込んだ(後から常連の方に「あの時間で入れてもらえるなんて珍しい、あなた達ラッキーね」と言われた)。
「うちはセットだから…」というので、それでお願いする。飲み物(ホッピー)と一緒に煮込みが出てきた。
チゲ鍋のような辛味噌風味の煮込みには、定番のモツ以外にも内臓の色んな部位が入っていて愉快…ホント、居酒屋好きにとっては、こういう特殊で美味しい煮込みって楽しいのよね。愉快愉快!
焼鳥もレベル高かったなあ…全て塩味で、コリコリシャキシャキ!焼いてもなおビンビンに伝わる新鮮さ、強めの塩から頑固な主人の揺るぎない人柄が伝わってくるようで良かった。
どちらの店も馴染みらしき地元のお客さんが楽しそうに呑んでらしたのですが、聞こえてくる話は、やはり震災の話題が少なくないようでした。「半壊か全壊判定か、明日もう一度役所が見にくるんだ」「誰それは車が流されたって」「実家が流されたよ」、泥酔した男性が大きな声で「俺は死んでたかもしんねえんだからな」と言えば、連れの男性も「俺だってそうだよ」とつぶやく…「だから、呑もうぜ」「カラオケ行こう」と肩を組み千鳥足で店を出て行く。
国分町のホテルで一泊、翌日は三井アウトレットと名取イオンモールで買い物。仙台港から名取方面へと海岸線と平行に走っている県道を運転していると、道の両側には未だ一階部分が流されたまま佇む家屋や、曲がった電柱がそこかしこにある。恐い…TVや写真で見るのとは明らかにちがう恐怖を感じる。イオンモールの手前には、仮設住宅がズラリと並んでいた。自分の家がそうなったら…自分がそこに住む事になったら…現場を自分の目で見るという事は「もしも」を胸に突き付けられる行為だと改めて思った。せめてもの…あまりに小さな“せめて”だけども、たくさん買い物して、たくさん食事をしてから帰路へとついた。