去年の秋、Twitterを通して知り合った南陽市在住の陶芸家:樽見浩さんの作品を2点ばかり手に入れた。見知った人の作った器で呑む酒というのは、こんなにちがうのか?と思うくらい趣があり驚いている。冬場、日本酒をいただくといえば燗つける事が当たり前だった我が家だが、今年の冬はこの樽見さんの湯呑みにトットッと注ぎ常温でいただくのが気に入ってしまい、ほとんど燗酒にする事が無かった。
ひとつの器の中にザラザラした部分、ツルツルした部分…たまに指に突起が触ったりするのも楽しい。知ってる人が土を練り、窯に火を焼べ作り上げた磁器の表面から伝わる情報のひとつひとつが、自分に語りかけているようで、ダラダラと飲み続ける晩酌の相手をしてもらってる気にすらなってくる。ブチ猫の柄のような湯呑みの向こうに、樽見さんの大きな背中が揺れたような気がした。