子河童が産まれてから早2週間たとうとしております。産まれた翌日には手術を行いました。ジュンが癌の手術の時に運ばれたのと同じ部屋に子河童に付き添って入った時は、さすがに涙が出ました。それから1週間は、集中治療室でたくさんの管につながれた子河童と僅かな時間しか面会できない日々を過ごしました。ボクはともかく、ジュンがかわいそうだった…そばにいたいのに一緒にいる事ができない…ある日、面会に行ったら真っ青な顔して子河童を抱いてた時があって驚きました。まだ自分の傷が癒えてないのに、そばにいたいから何時間も子河童の保育器に寄り添ってたらしい。そんな日々の中で、自分に出来る事は?と考えたジュンは母乳を出そうと一生懸命頑張ってました。一緒にいられるのは日に数時間、直接吸わせる事も出来ない悪条件の中、時間をかけてどうにか絞り出した初乳を子河童に飲ませていました。

一週間たち、小児科へ移動…やっと母娘一緒に寝れるようになりましたが、飲んだ乳の量を細かく記録するためにただでさえ大変な3時間ごとの授乳を、直接吸わせ足りない分は粉ミルクを哺乳瓶で与え、それでも規定量を飲みきれないので(体が小さく体力ないので飲み切れず必ず寝てしまう為)機械で管を通し直接胃に送り込み…この作業をいちいち行い、その合間にオムツ交換しては測り、手術部分のメンテナンスを行い、沐浴させ…しかも、小児科は付き添いの親の食事は自分達で準備しないといけないので、ボクが持って行った食事を何とか口に詰め込み…そんな生活を今も続けています。ホント、すごいなと…何か、我が妻ながら圧倒されるような気持ちで、ただただ母親になったジュンの事を尊敬しながらサポートしている毎日です。

そんな厳しい日々ですが、重苦しい気持ちをストンと引っくり返すくらいに子河童がかわいいです。子を持つ喜びを色んな人が語るのを目にしてはきたと思うのですが、正直今の自分の喜びはその百倍や千倍じゃ効かない程の大きな感動を得ている気分です。今はまだそれほど泣いたり動いたりするわけではないので、これから色々大変な事も多いのだろうとは思いますが、それでもこの自分と愛する妻との個性を引き継いだ新しい家族との時間は大きな楽しみを予感させてくれ、まだ続く厳しい治療をも共に歩める事に感謝させてくれるような気持ちでいます。産まれてきてくれた子河童と産んでくれたジュンに最大限の謝辞を贈りたいです。ありがとう。

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