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毎年山形に遊びに来る友人でフリーライターの玉置豊が、『私的標本 捕まえて食べる話』という本を出した。彼が寄稿している人気サイト『デイリーポータルZ』や、開設して10年になる個人サイト『私的標本』で過去に扱ったレポートを、この本用に書き直して自費出版で作った本だ。10本のお話しの合間には短いエッセイがあったり、表紙の消しゴム判子イラストを描いてる渡辺なおさんによる漫画も載ってたりして「ちゃんとした本!」になってるのが素晴らしい。自費出版というと、とかく「書きたい事を書きました!」「出しました!」になりがちだが、この本において玉置さんはキチンと編集者の役もこなしており、繰り返すようだが「ちゃんとした本!」になっておりますので、そこんとこご安心くださいませ。A5判112P、カラー写真ページもある!税込1260円。

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友人なので許されるであろう事を前提に、身もフタもない評し方で言うと“昔の椎名誠のような本”である。椎名誠が仲間達とアウトドアライフを楽しみ、くだらない遊びに興じる姿にワクワクした事のある人にはピンとくるはず。もちろん玉置豊は椎名誠ではないので、人間性から文体から全然ちがうわけだが、「アウトドアライフを楽しみ、くだらない遊びに興じる姿勢」には同じテイストが漂っている。しかも、椎名誠の本より写真がうんと多い(そこかよ)!想像してみて欲しい、この本が自宅のトイレに置いてある…毎晩1話づつ読んでく悦び!たまにエッセイがあったりする小さな嬉しさ!通勤の電車の中で読み込み声を殺して笑い、改札を抜けながら「今週末、久々に釣りに行ってみるかな」と思い浮かべる…そーいうワクワクを、この本は与えてくれる。

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ボクもブログに書いたジュンと3人で肌寒い秋口にウチダザリガニを探し求めたエピソードも掲載されている。八つ目鰻エピソードの舞台は寒河江、捕れるよと教えてくれたマスターの店は七日町と山形の人にもニヤリとできる要素は多い。

中野ブロードウェイにある『タコシェ』という特殊な本屋をはじめ、色々「そんなとこで?」という場所で売ってたりしますが、詳細については玉置さんのブログをチェックしてください。通販も『タコシェ』で行っております。

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個人的に心に残ったのは、両親の事を語った短いエッセイ。玉置さんの文章を読んだことある人なら何となくわかるんじゃないかと思うが、基本的に冷静で物事を客観的にとらえ記録してる男で、あまり家族のことや自分の内面について語ったりしないのだが、このエッセイではちょっとセンチメンタルな自分をさらけ出している。こーいうのをチラチラと…この先、玉置さんが何冊本を出すかは判らないが、嫁さんとの馴れ初めや娘の事など、書いてってくれる事を願って止まない…ていうかボクが読みたいので、小出しでいいから書いてくれ。