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山形で暮らしはじめて新鮮だったことのひとつに“夢を持って東京に出てく人”の存在がある。電車で一時間ばかり揺られれば都内に行ける千葉人だった自分の周囲にも、仕事の都合などで都内に居を移す友人はいたが、それはそれ「故郷を捨てて夢を追う」みたいなドラマチックなものはなかった。なんたって電車で一時間、「一緒に暮らしてた友達が女の所に転がり込んじゃったたから、実家に戻るわ」程度の話しである。

いまお世話になってる会社の同僚女子も、歌手を夢見て東京に出ていった…数年後こっちに戻ったと聞くが、顔を見かけてはいない。今も山形に帰省した時に遊んだりしてるサチちゃんとはじめて会ったのは、彼女が純朴な山形の女子高生だった頃だ。福島を経て東京で暮らし、今も頑張っている。僅か12年ばかりのボクの山形ライフの中でも、ちょっと考えると5〜6人はスッと東京に出て行った友人の顔が思い浮かんでくる。

そんな中で、唯一“二度東京に出て行った人”がいる。それが、たわしくんだ。役者を志して山形から上京、作・演出の方に興味が移り戯曲を学ぶが、一旦東京を出て実家に戻る…ちょうどそのタイミングで、共通の知り合いを介し山形で我々夫婦と友達になる。この頃もたわしくんは演劇の脚本を書くことに夢中で、『ラジカルガジベリビンバ』の話しかなんかで盛り上がったボクに、自作コントのシナリオを見せてくれたりした。その後、満を持して再び上京したたわしくんは自分の劇団を立ち上げ、コンスタントに公演を重ね、今回ついに山形で凱旋公演を行うことになったになったのであったのであった!

いや、結構長くなっちゃったな…そんな、たわしくんの劇団『きのこ牛乳』の山形公演【正しい雨】は、七日町の瑳蔵で今週末、10月13日・14日の2日間(時間は、きのこ牛乳HPでご確認ください)行われます。音楽は地元の『けちょんけちょんジャグバンド』が担当、入場料は前売・当日共に2000円とそんなに気負わずに“二度東京に出て行ったヤツ”の「そこまでしてやりたかったこと」を見ることができるという…なかなか、こんな機会おまへんで!というわけで、興味持たれた方は是非足を運んでいただければ幸い。

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