松屋『オリジナルスパイシーカレー:350円』

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以前、松屋で出していた安さがウリのトマト風味カレーがそんなに好きではなかったので、期待してなかったのですが…もう運ばれた皿の上を見た瞬間から「あ、これは美味しいぞ」とピンときました。自分の好み的に美味しく感じるというより、脂の量がいままでの店のものより明らか多かったので「美味しいと感じてしまうだろうな」という意味での予感でした。

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案の定、サラサラしてオイリーなカレーはライスと軽くからんでドンドン食べれます。味も塩分が強すぎず飽きない…ジュンは「やばい…これ、ココイチより好きかも」という高評価。福神漬けだけじゃなく、紅ショウガとの相性も良いし、デフォルトでついてくる味噌汁がこれまた妙に合うんですな…やられた感のあるカレーでした。

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すき家『カレー:350円』

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見た目からしてちゃんと考えられてる感がある…ライスの島を囲うようにかけられたルーが、かなりの面積ライスにもかかっており、繊維質になった肉だけが残り存在感を示している。実に美しい!松屋と近しく脂多めでサラサラとしたカレー。個人的にはすき家の方がしょっぱめで、食後にも舌に残ってしまう気がした。塩分が強いと紅ショウガとも合わない事にも気づいた。とにかくルックスが光った一皿。

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茂利多屋『カレーライス:290円』

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天童市の24時間営業ドライブイン“茂利多屋”さん、チキンカツ定食(290円)等とても安価なメニューで人気ですが、もちろんお味の方も値段相応なのでそれほど期待せず。というか、ここまでチェーン店中心に5軒食べ比べてきて、正直「カレー…もういいかな」という気持ちが強くなっていました。それぞれの会社の商品開発部がそれぞれ熟考して(悪知恵含む)作り出したであろうカレー、消費者に喜んでもらえるように…という想いがそこにはあるのかもしれないけど、食べ続けているうちに、脂、塩分、具材にスパイス、量やバランス…カレー自体の味うんぬんより情報ばかりが率先して脳に届いてくるような気がして、楽しめなくなってきていたのです。

そこにこのカレー!茂利多屋さんは夜中でもおばちゃん達が頑張って働いてる店なのですが、実におばちゃんらしいカレーだったのです。言うなれば「友達んちのお母さんが作ってくれたカレー」的な?タマネギ、鳥肉を中心としたゴロゴロした具、カレー表面のマットな質感はおそらく溶けてしまったジャガイモが作り出したものであり、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか?色明るめのルーは粘度が高いながらも、野菜が溶けてできたボテボテ感なので、いたずらにしょっぱかったりはせず食後感もいい!

ちょっと出来過ぎた話ではありますが、ホントにこの6杯目のカレーでボクは“カレーライス”の持つ幸福感…子供の時夕飯がカレーでテンション上がっちゃう感じ、給食がカレーでいつもより長いおかわりの列できちゃう感じ、妻がカレーの日はご飯多めに炊いといてくれた感じ…そんな気持ちを取り戻すことができたのです。今は胃もたれちゃうので何杯もおかわりしなくなっちゃったけど、今はチェーン店でいつでも安く食べられるけど…それでも、カレーはボクにとってごちそうだったし、その記憶は脳の奥にしまわれ、こうしてたまに現れては心を支配する。

そう、ボクにとって“カレーライス”とは、見るだけで、食べるだけで、その香りを嗅ぐだけで心温かくなれる特別な存在であったことを思い出したのでした。