転落した時に着ていたTシャツは、救急隊の方が処置する時に切断してそのまま破棄してしまったのだけど、気に入っていたのでこないだ全く同じ物を買い直して、つい最近ジュンの面会に着て行ったら「ええっ!そんな縁起の悪いものを…」と絶句していた。でも、袖に「HYPERCOOL」とプリントがあるのを見つけ、ボクが救急車の中で言った「I know that cool」を思い出し笑っていた。

退院直後はまだ頭痛とめまいが強かったので、なおなおにジュンの通院をお願いしていた。なおなおありがとう。山形市内までジュンを送り、ひとりで帰り道ひさびさに「音楽を聞いてみよう」と思いついてカーステレオのスイッチを入れた。入ってたCDはホルモンの新譜だったけど、ケガする前に聞いた時と全然ちがう印象…鳥肌たつほどの感動。ひずんだギターのクランチに体内の血液が沸き返るような…塞ぎかかっていた毛細血管がこじ開けられるような気さえした。

退院して数日後に耳血が出たり、半月後くらいに強烈なめまいに襲われ病院に駆け込んだが、特に問題は無かった…強烈なめまいは、新しい薬が処方されそれでどうにかなった。担当医が留守だった時に行ったので初めて会う脳外科のドクターが診てくれたのだが、大雑把な担当医とちがって頭蓋骨模型を片手にボクの内耳骨折について詳しく説明してくれた。「あなたの骨折は、この部分がこういう角度で折れたの」「もし角度がこうだと聴力失ってました」「もしこっちも折れてたら失明」「麻痺はどう?え、そっか…ラッキーだったね、この部分は大体もっとひどい顔面麻痺残る人多いんだよ」怖い話しだった。

入院中、食事ができずにいたら脇腹の贅肉がゴソッと落ちた…帰宅して体重計にのると5キロ減っていた。体調が元に戻ったら体重も戻るかも…と自分でも半信半疑だったけど、そのまま現在までにさらに2キロ落ちた。以前から「デブもウツと同じように心の病だ」と思ってるとこがボクにはあって…でも結局、極度に落ち込んだ時に食事や食欲では自分を救う事はできなかったんだよね。ボクを救ってくれたのは、妻と(まだお腹にいる)子供だった…だから(というわけではないかもしれないけど)もうこのまま食事に頼るのは止めたい気分。

今現在、後遺症の類いはほとんど感じずに生活している。治った部分もあるだろうし、今の状態の自分に自分が適応している部分もあるのだろうけど、とにかく不便を感じてはいない。頭痛やめまいは気圧の変化にちょっと弱いみたい…今も念の為薬は持ち歩いてる。右側頭部の麻痺は、担当医に「そこの末梢神経が切れてしまったのだと思うから治りません」と言われていたが、たまに違和感があるくらいで普段は退院時のような皮膚がブ厚くなったような感覚はない。舌の麻痺も味覚音痴になってしまうのを心配したけど今のところ大丈夫、ただひとつ…これは退院時から変わらず残ってるんだけど、悪い油に敏感になったのよ。不思議だね…そんな事あるのかね?でも、悪い油に対して「おいしくない」と思うのが3倍くらい(その程度だけど)強くなってしまったので、閉店間際のスーパーで半額になった揚げ物を買わなくなった!これも痩せ続けてる事に関係してるのかもしれない。

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誰にも薦められないな…『ガケ下転落入院ダイエット』。