禿生海峡冬景色

山形在住【食いしん坊中年男子】の平穏な日常に突如襲いかかる妻子と愛猫の嘔吐!そしてその内容物について…

街の食堂消化機構

武蔵

いつ行っても作りたてのカツ丼が300円で食べられる食堂があったら人気店になりそうなもの…でも、不思議といつ行っても空いてる店、それが武蔵。チビが昼寝してる間、ひとりで市内に用足しに行ったついでに寄ったら壁に見慣れぬ品書きが

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「本日限定一食 超大盛(約三人前)焼肉カレーライス 580円」普段あまり特盛りメニューに手は出さないんだけど、金額的にリスクがないこともあって気がゆるみ注文してみた。

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思った通り、なかなかのボリュームだが中学生男子なら平常心で食べきるレベルの大盛りだ。カレーを運んできたおばちゃんが珍しくちょっと笑顔だった気がして「おっ」と声を出してみたが、すぐに真顔になったので会話には至らなかった。

肉とメシ、カレー肉メシ、乾き気味のキャベツに肉を馴染ませ、福神漬けでアクセントをつけて…ひとサジひとサジに少しづつ変化を作ったのが功を制したのか、終盤まで大きな後悔することなく食べきることができた。

席を立ちお会計…特に会話はなく、何故かお釣りを目の前のボクに渡さずサイドボードのトレーに置き(どうぞ) とジェスチャーで指し示してくれる斬新なスタイル。実に武蔵らしい!と思いつつ店を後にした。


山形市南松原『久高食堂』

去年のちょうど今頃、無職になり時間が出来たので市の健康診断に行ってみた。当然のようにメタボうんぬんで引っかかり、生活習慣改善の問診を受けないと帰らせてくれないという流れに…メタボなんとかアドバイザーという妙齢の女性は、マスカラは目元にくっつき口紅は歯にくっつき「朝早くからお仕事ご苦労様です」といった様子の方だったが、なんだか「タバコやめれませんか?」とか「毎食野菜料理一品プラスしてもらえませんか?」など、とにかく乱暴で辟易してしまった。

どうにかこうにか、なんとかアドバイザーの攻撃をかわし解放されたのは10時頃、当然朝から何も食べてないので空腹だった。前晩から降り続いてる雪は勢いを増し、町は真っ白…昼食にはまだ早いのでチェーン店の牛丼でも食べるしかないかと判ってはいたが、なんとなくそんな気になれず大通りの方でなく住宅街の細道をクネクネと入って行った。見知らぬ道の袋小路で2度行き止まり古びた団地が並ぶ通りに出た、大きな団地の一階部分は商店が並んでいたようだが、今は営業してる店は無いようだ…降りしきる雪のせいもあり人気なくひっそりして見えた。そんな団地の近くに見た事ない食堂があった。昔ながらの雰囲気ある食堂…惹かれはしたが、駐車場が見当たらないのと店先にいたお店の方らしきばあちゃんにジロリと一瞥されたのに気圧されて、思わず通り過ぎてしまった。

一度道をそれると、ある意味迷子になってたような状態だったので、後戻りする気にはなれずそのままどうにか大通りに抜け、結局その日は…何を食べたか覚えていない。それから何度か近くを通りがかった時に「あの店、何だったんだろう?」と探してみたが、不思議と見つけられずにいた。大雪の日に見たまぼろし…そんな風にさえ思っていた。

で、ついこないだ…大雪の時に、あの時と同じように空腹で近くをクルマで走っていて「あっ」と思ったわけですよ、「もしかして、この雪道ならあの店に連れてってくれるかもしれない!」って…住宅街に入り、クネクネ曲がって団地があって…うわっ、あった!

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のれんが出てるから営業中にちがいない!今度は落ち着いて駐車スペースにクルマを停め店に入る……店内はやはり歴史を感じる昭和な佇まい。客の気配を察して奥からじいちゃんとばあちゃんが出て来た。じいちゃんはテレビをつけ客席に座り、ばあちゃんは厨房へ入った。ボクは立ったまま壁に並ぶお品書きを眺める…そば、うどん、丼物…とんかつ定食1000円か、気合い入ってるな…ラーメン関係の中にお店の名前を使ったメニューがある、じいちゃんに「久高ラーメンてどんなのですか?」と質問すると「お揚げが入っててな…」と、あまり聞き取れなかったがそれを注文した。ポジション的に、ばあちゃんが作る係でじいちゃんはおしゃべり担当かなと思ったが、結局店を出るまでじいちゃんはテレビを凝視していて話しかけてはこなかった。

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久高ラーメン(700円)…お揚げには餅が入っており、つまり餅巾着だった。和風ダシのスープに色んな野菜…良い言い方ではないかもしれないが、前日の鍋の残りで作ったラーメンといった感じ。しょっぱめのスープもそんな雰囲気だった。昭和な佇まいながら整然と片付いた店内とテレビで流れる朝ドラの再放送を交互に眺めながら、こんな家庭的なラーメンを食べているとなんとも懐かしい気持ちになり、一年越しでこの店に入れて本当に良かったと満足感に浸れた。

やっと店名を把握したので、帰宅後ネット検索してみたら普通に口コミサイトに情報があってズコッとなった…全然「大雪の日に見たまぼろし」では無かったが、いいのだ…今冬中にもう一度訪れ、ノーマルの中華そばか気合いの入ったとんかつか…いやいや、板そばも気になるな…あの店で手打ちしてるのかしら?とにかくまた行かなければ!
 

山形市大字松原『味むら』

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小鉢の数がとにかく多い事で人気の味むらさん!ラーメン関係を頼んでも、ごっそりと小鉢が並びます。今回注文したのは五目ラーメン(700円)、とにかく五目は店によって全然ちがう物が出てくるのでギャンブル率高くドキドキ…で、味むらさんの五目は野菜あんかけ系でした!しっかり固めの醤油あんにたっぷりの野菜と豚バラ肉…で、量がたっぷり!麺もしっかり大盛り級の量で大満足。小鉢は相変わらず野菜類が多く、現在のボクのような独り暮らし中年男性にはありがたい。壁に貼られた揚げ物など単品メニューにプラス200円でも定食にしてくれます…もちろん小鉢もズラリ!
 

山形市青田『18番ラーメン』

丁寧で実直、そして少し不器用そうなおっちゃんのラーメンは、ちょっと個性的な作り方をしている。スープを鍋で煮ながら調味するのだ…なので、連れの客でもバラバラの注文をするとスープの種類だけ鍋が必要になり、必然的に調理に時間がかかる。コンロも少ないので一杯作り終えてから次の…みたくなってしまい、かなり時間差ができてしまったりする。麺の茹で具合も、何度も一本吸ってみて丁寧に自分の舌で確認しながら作っている。

以前、この店でラーメンをすすっていたら駐車場で乱暴な排気音がして、チンピラ風の男が入ってきた…開口一番おっちゃんに「おい、この店で一番早くできるの何だ?」、おっちゃんは「え?」と聞き直してから「どれでも一緒です」と真顔で一言。男は納得いかないように「一緒って事はねえだろ!急いでんだ、早く出せるやつくれよ」と怒鳴るが、おっちゃんは「同じだよ。それに今は混んでるから時間かかります」と答えた。男は何かボヤキながら店を後にした、おっちゃんは慌てて鍋の方に行きラーメンを作り続けた。ビビるわけでなく、気負うわけでもなく普通に受け答えしてたのが印象的だった。

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しょうゆラーメン(550円)、ドンブリたっぷりのスープは澄んでてアッサリすっきり…ひと口ふた口だと薄く感じるが、麺をすすってはゴクリ、メンマをかじってはゴクリとやってるとそのバランスの良さに思わず唸ってしまう。中細麺はやわめの茹で加減、ごちそう感のあるチャーシューに自家製コリコリのメンマ、ネギは切り立て、そして白く美しいモヤシ。すべてに手がかかってはいるが、アクの強さは無いスッキリ食べきれる由緒正しき昔ながらのラーメン。

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ギョウザ(250円)は、毎週定休日の日曜日におっちゃんがせっせと手包みしている自家製。何の変哲もない皮に包まれた具はジューシーで、思いのほか複雑な味。ボクは、ホントここのギョウザ大好き!もっとモチモチした皮に包まれた美味しいギョウザの店もあるけど、この値段でこのクオリティはなかなか無いよ!

国道挟んだ数キロ先に大学があるので、そこの学生さんらしき常連の姿もよく見る。以前、卒業シーズンに足元へボストンバックを置いた女性がひとりでラーメンすすってるのを見かけた事がある。ボクが店に入った時にはちょうど食べ終える頃だったのだがなかなか店を出ず、おっちゃんがひと仕事終えたのを見計らい「じゃ、わたし行きます」と名残惜しそうに声をかけていた…おっちゃんは前かけで手を拭きながら女性に近づく、女性は何か二言三言話しおっちゃんは「うん」「うん」と真顔で答えていた。たぶん常連だった子が卒業して最後のお別れを言いに来たのだろう…女性が店を出るとおっちゃんはいつも通りちょっと慌てたようにストーブへ行き、鍋の中のメンマを一生懸命かき混ぜていた。
 
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仙台市青葉区『北京餃子』

仙台のオシャレデパートであるフォーラスの地下にありながら、実に…良い意味でガサツな雰囲気漂う中華屋さん。安さがウリの店ではあるんだけど、今時のチェーン系ファストフード店のような「キレイで安くて接客丁寧!でも原材料費は怖いくらい抑えられてます」みたいな隙のない感じじゃなくて、「値段が安くて盛りがいい!けれどガサツで味それなり」っていう、なんかボクのような中年男性にとっては…やたらと懐かしい感じなのです。中学の時に、一緒に映画見に行った友達が教えてくれた200円でラーメン食える店!みたいな…昔はそういう個人経営の店が結構ありました。

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北京餃子というくらいですから餃子がウリなのですが、150円という価格のわりになかなかウマい!これは真顔でオススメできます…手造り感あって味しっかり、まちがいない。奥のドンブリ2つは、曜日によってラインナップが変わる日替わりランチセット(550円)。写真にあるのは中華そばとスタミナ丼なのですが、麺類は中華そば以外に塩ラーメン・広東焼きそばにする事もできます。これが…実にこういう店らしくてグッとくるのですが、まずは店先に貼られたメニューの多さに悩む、どうにかメニュー決めても券売機のどこにそのボタンがあるのか悩む、やっと食券を買ってもそれをどこに出せばいいのかわからない…チェーン店のように導線案内なんて無いですから、え?え?となってしまう…で、まあカウンターにいる苦みばしったおばちゃんに食券を渡すわけなんですが、セットメニューだと突然「麺どれ?」って早口で聞かれる…そこでまた、え?え?となるわけなのですが、フッとおばちゃんの指刺す方を見ると「中華そば・塩ラーメン・広東焼きそばのどれかを…」みたいな小さな貼り紙がある。ここまでクリアして、やっと注文終了…もちろん、その場で待つべきか席で待機すべきかの指示は無し(席を確保して食券の番号呼ばれるまで待機が正解)。とにかく他の馴れてそうなお客さんの行動を真似るしかない。

いいんですよね…この、ファストフード店でサービスがどうとかイヤミ言ってるような人が来たら気を失ってしまいそうなガサツさが、たまらなく懐かしく居心地いい。スタミナ丼なんかも価格なりの味ではありますが、イオンのフードコートのような「冷凍物を湯煎しました」みたいのではなくて、ちゃんと厨房で中華鍋を振るって作って…まあ、こんな感じだよ!安いし!っていう、いいんだなあ。

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手前は、広東焼そば(550円)…見ての通りのドカ盛りメニューなんですけど、今風の油や調味料の濃さでどうこうしようって味ではないので、不思議とスルスル食べれる。紅ショウガは正面カウンターにしかないので、呼ばれて持ってく時にしかのせられないんだけど、昼過ぎの時間帯になるとちょっとしか残ってなかったりするのね…ガサツ万歳!奥は、ニラレバ炒め定食(650円)と餃子(150円)…最初にジュンと来た時に食べた麻婆豆腐が、まあ…あまりに昭和な感じで「もう行きたくない」と言われてたんだけど、2度目なんとか付き合わせて食べたニラレバは気に入ってくれたという…危ないとこでした。

今時の風潮を無視して全面喫煙OKなので、嫌煙家の方が来ると震えるくらい煙いのですが、そこらへんも含めて昭和。客層は、やはり量と安さ重視の学生さんや愛煙家OL、スーツがヤニ臭くなってもかまわないという風体のやさぐれサラリーマンが多いですが、たまに家族連れが迷い込んで来ては「あれ?あれれ?」ってなってるのも実にこういう店らしく好感が持てます。王将も今みたくファミレス化する前は、こんな雰囲気だったような…是非、北京餃子にはこのままでいて欲しいと願わずにはいられません。
 
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