禿生海峡冬景色

山形在住【食いしん坊中年男子】の平穏な日常に突如襲いかかる妻子と愛猫の嘔吐!そしてその内容物について…

2007年09月

SnowPower

農協…あ、いや、JAに勤める友人が開発に係わったインスタントラーメンが発売されるという事を聞きつけたので「ぜひ試食させてくれ」とスリ寄って食べさせてもらった。山形県産の小麦『ゆきちから』を100%つかった麺と、こだわりのスープが特徴。ストレートの細麺なので、普通のインスタントラーメンより冷麦とか温麺に近いツルツルとした食感。でも、ちゃんと中華麺の味がしてコシもあり、醤油味などは『お蕎麦屋さんの中華そば』の味にかなり近い。

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辛味噌は一転、坦々麺のようなこってりとした辣油とゴマの香りがインパクトあるスープで、ちゃんと辛いのが嬉しい。昨今、出回ってるカップ麺の坦々麺はほとんど食べたが、どのスープよりこのスープはうまいと思う。や、ホントにホントに、辛いの好きな人は一度騙されたと思ってお試しあれ(そして「だまされた~」って…いやいや、そんなこたない)。

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一般の食品メーカーより素材にこだわったJAの商品「味はいいんだけど、値段もそれなりに…」てなことが多いので「スゴクおいしいけど、高かったらスーパーに並べても売れないと思うよ」とクギを刺すと、それは分ってるので…との前置きの上、醤油味は105円・辛味噌115円(両方とも直売所での価格、一般スーパーにはオープンで出すそうです)という低価格。地方の厳選された素材を使った!とかいうと、スグに3食千円だ6食千円だのになってしまうところ、なかなか頑張った値段に納まったもんだとちょっと感心してしまった。

インスタント袋麺はおいしくないし、でも生麺のラーメンは高いし…なんて思ってる方は、是非一度食べてみてください。県外の友人や親戚への贈り物としても「中華麺消費量日本一といわれる山形の県産小麦100%使用」との冠がつけば、インスタントラーメンとはいえ立派な山形の名産品でございます。胸を張ってお送りください。

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あまりベタ誉めなのも堤灯記事っぽくて嫌なので、不満てほどではないけど気になった点をいくつか…まず、麺の量がちょっと少なめ。辛味噌はなどは味が濃厚なので麺がこれだけでは、なんかもったいない気がしてしまう…「もっきり」ってサイズを作って麺3倍量で200円とかできないかね?スープの量は変えずに「替玉」とか「つけ麺」で食べてください…みたいな一文を添えて。逆に醤油味は、かなりアッサリなのでスープを割る湯を入れ過ぎると薄味になってしまうので要注意。

現在この商品を購入できるのは山形市内のJA直営店3ヶ所と、ジェイエイあぐりんやまがたホームページからの通販のみ!とりあえず反応を見つつ、年明けにはスーパーなどにも並べるのが目標とのことです。

 

シトロン

住所:山形県山形市緑町3-17-4【地図】
営業時間:11:30~14:30 17:00~21:00
定休日:火曜日
テーブルの調味料:ウスターソース、タバスコ、粉チーズ
ティッシュの有無:おしぼり
接客:気にならない
画像:ハヤシライス 680円、ハンバーグステーキ(ライス付)1,050円

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4種類ある平日ランチ530円というお値打ちメニューからディナーのコース料理まで、何かと評判のいい北高近くの洋食店。特に人気があるのは、開店から27年間作り続けてるというデミグラスソースをたっぷり使ったハヤシライスとハンバーグステーキ!

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ハヤシライスはバターをたっぷり使っており、かなりコッテリとした濃厚な味。真っ黒な外観から苦味が強そうに見えるが、それほどスモーキーな香りは感じない。ドロドロのルーをたぐると、ほぐれた牛スネ肉がたっぷり…トロけたタマネギの甘味と共に強いコクがありゴハンにあう。実においしいが、カロリーも高そう。

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牛豚合い挽き肉のハンバーグはしっとりとした柔らかめの食感に、これまた濃厚なデミグラスソースがたっぷりかかっておいしい。両方共かなりコッテリでゴハンが進む、本格的でありながら庶民的なまさに『ザ・街角の洋食屋さん』である。

再来店の可能性:○

 

わさび醤油

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焼肉にはわさび醤油!いやいや、ホントにホント!マジだから試しにやってみてよ!そこらの市販の焼肉のタレより、ずっとおいしいから!まあ、ゴハンと一緒に食べる時は焼肉のタレで食べるのも悪くないし、ボクもコチュジャンやニンニクでボテボテになったタレとか嫌いじゃないけど、ビールなどアルコールを飲みつつ食べるなら、甘かったり辛かったり色んな味のし過ぎるタレよりコッチ!わさび醤油最強!大体、焼肉のタレって今みたいに脂ののった肉が出回ってない時に、スジっぽくてクッチャラクッチャラ噛み続けないといけない焼肉をおいしく食べるために考えられたものじゃない?最近は、そんなに高い肉じゃなくてもそれなりに脂のってて柔らかいんだから、わざわざ肉の匂い消したりしないで、醤油とわさびをチョンチョンでガフッ!ガフッでホフッホフッ、それからグビリですよ!で、脂の少ないロースとかは塩ね、焼きながら塩をパラパラふってレモン汁にチョンとつけてガフッ!ガフッでホフッホフッ、それからグビリですよ…ちょっとクドかったかな?とにかくわさび醤油!次に焼肉する時は、ぜひお試しを!

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京都といえば

週末、京都へ旅行に行ってる友人が「おいしいラーメン屋知りませんか?」と(不特定多数の人に)質問していたので、胸を張って「京都と言ったらラーメンじゃなくて、うどんでしょ!」と断言し、うどん屋の魅力についてメールで熱く語ったのだが、いかに関東とちがう風変わりでおいしいメニューがあるか説明してるうちに自分が食べたくなってしまったので、思い入れあるメニューを再現して久々に喰らってみた。

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『あんかけうどん』
修学旅行以来はじめて京都に行ったのは、20歳の頃だったと思う。当時やってたバンドのメンバーで、仲良しだった溝口くんと男2人「本物の舞妓さんを見てみたい」なんていうバカ話が膨らんで、貰ったばかりのバイト代を握りしめ新幹線に乗り込んだのだ。とりあえず京都に着き「京都っぽいものを食べてみたいね」なんて話し合ったのだが、貧乏旅行なので懐石料理のようなものに手が出るわけもなく、ただ「関東と関西ではうどんの汁が全然ちがうらしい」という知識だけを頼りに、街角の古びたうどん屋に入ってみて驚いた!そこには、関東で見たことのない変な名前のメニューがズラリと並んでいるではないか!しっぽく、はなまき、おかめ、のっぺい、あんかけ、はいから etc... 関東に無くて、でもネーミングからなんとなく想像のできるあんかけうどんを注文した。ドンブリが運ばれてビックリ、具が何ものってない!ネギすらない!ドロッとした薄茶色の汁以外は麺とおろし生姜のみ…物足りない気持ちを抱えつつもうどんをすすると、コレがうまい!熱々の汁をズゾゾッと重くすすりながらうどんをフーフーしてガブリ(普通に麺をすすってしまうと熱々の汁が顔に飛んだりして危険なので、ボクは手元でひと口サイズにまとめあげて食べている)。単調な味だが、もったりとした食感と異なり生姜の香りで口の中はスッキリしてあり、食べ飽きることなくたいらげてしまえる。あんまりおいしかったので、京都にいる間は1日1杯はこれを食べ続けた。

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『きつね丼』
現在のようにTVのグルメ番組や雑誌が蔓延などしておらず、食に対する情報が(食以外もそうだけど)圧倒的に少なかった20年前、しかも歴史のない新興住宅地で育った自分にとって知ってる《ドンブリもの》と言えば、親子丼、カツ丼、牛丼、鰻丼くらいのものだった。どれも肉なり鰻なりのメインあってのドンブリである…そこへ『きつね丼』だなんてビックリ!油揚げって味噌汁の具でしょ?みたいな、とてもメインを張れるようには思えないんだけど…注文するにはかなり勇気がいったが、妙に気になってしまったので最終日、あんかけうどんを食べに立ち寄ったうどん屋で注文してみた。そしたら、コレがうまかった!ダシの染みたお揚げとシャキシャキ感の残る青葱が、何とも言えずゴハンにマッチして実においしかった。「鰻丼にかけるアレでしょ?」くらいの知識しかない粉山椒がまたこれに合うんだ!ちなみに、きつね丼を玉子でとじた衣笠丼、カマボコを玉子でとじた木の葉丼なんて品書きに並んでいたなあ…

両方共ひさしぶりに作ってみたんだけど、それなりにおいしく出来た。こうやって簡単に作れる物をワザワザ旅先で食べてこいってのもトンチンカンな話だよな…と思いつつも、やっぱり一度現地のひなびたうどん屋(腰の曲がったばあちゃんが運んでくるような)で食べてみて欲しいなあ…ラーメン屋は、まだしばらく無くなったりしないだろうけど、ひなびたうどん屋は20年後残ってないかもしれないんだから。

興味を持った方は是非お宅で作ってみて欲しい。まず『あんかけうどん』、鍋に張ったドンブリ1杯分の湯にダシの素・塩を入れて味を整え、ここにダシ醤油(そばつゆの素)を少なめに入れて軽く色づけする。別鍋のうどんが煮えたらドンブリにあけ、水溶き片栗粉を多めに入れてトロミをつけた汁をバシャーッ、上におろし生姜を添えて完成。『きつね丼』は、上と同じようなあんばいで作った汁(もちろん量は少なめで)に、熱湯で油抜きした油揚げを入れて煮込み、味が染みたら刻んだ青葱を入れひと煮立ちさせたらOK、ドンブリによそったゴハンの上にかけて粉山椒をふって出来上がり。ボクは青葱の変わりに、普通の長葱の青いとこを刻んでちょっと長めに火にかけて代用しちゃう事が多いです。どちらも、甘めの方が好みのだという人は、砂糖や味醂を入れてみるのも当然アリですのでどうぞ御自由にお試しください。

ちなみに、御茶屋に入る金もツテもない20年前の我々は先斗町に張り込んで、本物の舞妓さんを見ることに成功した。電柱の影から身を乗り出し「出て来たぞ!来た!来た!」「本物だ!本物!」「スゲースゲー!」って、馬鹿らしいけど忘れ得ぬ思い出である。

JANGO

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映画『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』を観てきた。この、コメディ臭漂うタイトルからして駄作の香りを感じ、正直まったく惹かれない状態で劇場に足を運んだのだが、すっごくおもしろかった。もう一度言おう、すっごくおもしろかった。ストリーについては、公式サイト等でさらりと読み流していただくことをオススメするが、数ある映画の楽しみの中でこの映画に関して特に強く感じたのは以下の2つ。

 ・観た後、チャンバラとかガンマン(ごっこ)をしたくなる。
 ・観た後、この映画について誰かと語りたくなる。

この2つがあるだけで、観る価値はあると思う。観てる最中どんなに興奮できる作品であっても、劇場を出た後にスッと忘れることのできるものはちょっと物足りないし(そういう作品が好きな人もいるだろうが)、善かれ悪しかれ語る事がたくさんある作品てのは観た後も自分の中でどんどん膨らんでくれて楽しい。

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ボクは、それほど映画好きというわけでなく「どんな映画が好き?」と聞かれても「いろいろ」と答えてしまう程度の人間で、いわゆるハリウッドの大作映画も好きなんだけど、そのハリウッド大作映画をマネた邦画って80年代からズーーッとあったでしょ?例えば、リターナーとかリターナーとかリターナー…いや、ちょっと他に名前出てこないけど、VFXをそれなりに駆使していて、制作費数億円!とかいうふれこみで「演技大丈夫なの?」みたいな2枚目俳優が看板はって、予告編とポスターだけはべらぼうにカッコイイのに、実際の作品観たら学芸会でした…みたいなの。や、役者うんぬんというより、お金のかけかたの中途半端さと、カット割りのテンポ…つまり編集のレベルかなあ?が、とにかくハリウッド映画に1/10も届いてないのに「ハリウッドと並んだ!」みたいなコピー打っちゃうような、VFXも「一番カッコイイとこは予告編で流れてたとこだけ」って監督が後ろでペロッと舌出してるような映画。そういうのを今まで何度も砂を噛むような思いで観てきたので…やっと、やっとこの映画で届いたんじゃない?と、やっとお金と編集でハリウッドと並べる邦画が作れたんじゃない?みたいな「積年の恨みを晴らしてくれた」ようなものを感じてしまった。

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ただ「ハリウッドと並べる」と言ったものの、英語がね…この映画は全編セリフが英語なのだが、メインキャストの数名はそれなりにしゃべれているものの、出番の少ない俳優、特にファーストシーンにゲストっぽく出てた香取慎吾の何ていうか、チャン・ドンゴンの日本語「あなたのことが、しゅきだかだ~!」レベルな発音は実にアレな感じで、英語圏の観客が見たら内容ウンヌンの前に気まずくて席を立っちゃうのではないだろうか?くらいであったりするのだ。でも、字幕映画なんてありえない英語圏…というか、アメリカにメイドインジャパンの作品を(吹き替えなしで)売りたいと思ったら、やっぱり英語でしゃべっちゃうしかないんだよな。自分の作品を、吹き替えして売るか、リメイク権を売るか、英語で作っちゃうか…考えた末の結論としては仕方ないのかもしれない。

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他にも語りたいことはいっぱいある(以下ネタバレ含)。伊勢谷友介の刀さばき、銃さばきのカッコ良さ。夫を殺した男に襲われて泥の墓場を転げ回ったり、泣き崩れる息子を見ながら犯されたり、最後も死の際だというのに息子の前で死姦されそうになったりと、いわばこの作品の陵辱シーン担当の木村佳乃が後から考えてみれば胸のひとつも露出してない事にビックリ。深みの感じないヒーローの描き方に比べ、悪役のバラエティで生き生きとした描かれ方。桃井かおり、石橋貴明などアクの強い役者の使い方のうまさ…あと、山形でかなりロケをしてるんだけど、これが実に良かった。どうせ田舎だったらどこでも良かったんでしょ?ぐらいに思って観たのだが、ちゃんと山形だった!特に「このシーンだけ海外ロケ?グランドキャニオン?」なんて思ってた場所が、別アングルから写ったら蔵王のお釜だった時の驚きといったら!や、映画館に観に行けとは言わない、DVDがレンタル屋に並んだ時にボクがどうこう書いてたのを思い出していただければ幸い…伊勢谷友介いいよ~輝いてた頃の窪塚洋介みたいだった。

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しかし、タランティーノはこの作品にどこまで関わっているんだろう?ネットで調べた限りでは「三池監督が直接アメリカまで行って出演交渉してきた」くらいの情報しかないが、明らかに『キルビル』を意識してる本作…監督が「あんたが日本の仁侠映画が好きだったように、俺もマカロニウエスタンが好きだったんだ。キルビルに対するアンサーを作らせてくれ!協力してくれないか?」くらいの事は言ってそうな…つい、そんな妄想が広がってしまうのも楽しい。にしても、タイトルが最悪…それだけが残念!

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