今日で39歳。とはいえ、ハッキリと39歳と言ってられるのはわずか半月…1月になっちゃうと









というわけで、これからも39歳の中年男性の綴る『禿生海峡冬景色』を、よろしくお願いしまんぽ。ちなみに、この絵を描いたのは妻です。

　

妻は相変わらず冬鬱のまっただなかを弱々しく漂い、ベッドの中で台所に置き忘れられたでがらしの紅茶パックのようにカピカピになって過ごしている。よく「鬱病の人に“頑張れ”は禁句」という話を聞くが、あれは断言できるほど絶対的なセオリーではないと思う。ボクは「頑張れ」も言うし、妻が動けないことにが原因で自分が感じてる不満もガンガンぶつける。ただし「ボクが洗い物やるから、掃除機は頼む！頑張ってくれ」とか「ボクも頑張って会社行ってくるから、午前中のうちに洗濯頑張ってくれ」みたいな感じで頼み、実際できなくても責めないようにしようと決めてるし、不満を言うだけ言っても別に謝罪の言葉や改善を要求するわけではなく、気になったことを口に出して自分がスッキリするために話してるようなものなので、バーッと文句を放った後は普通に日常会話をしている。最初のうちは、言われた不満に必死で言い訳しようと身構えていた妻も、今は真意が通じたらしくスッカリ聞き流すのがうまくなっている。

鬱が家族の間で伝染することがあると聞く。喉元まで出かかった「頑張れ」を飲み込み、自分が抱いた不満を鬱である相手にぶつけることは症状を悪くするからと抑え込み、ここでガマンすれば、自分が堪えてればと溜め込むうちに本人の心が壊れてしまい、風邪のようにウイルスが伝染するわけではないが、結果的に家族の中で鬱病と診断される人間が増えてしまうことになる…実に悲しい事だが、数週間薬を飲んでいれば必ず治るわけではない“鬱”と無理な姿勢で付き合っていると、そういう事態を引き起こすのだという現実をボクも実感として理解している。

今日もボクは帰宅したら、まず妻にいくつかの不満を投げかけ、妻はそれをスルリとかわすだろう…意味ない行動かもしれないが、言うだけ言えばあとはスッキリとおいしいビールで乾杯できる。ギンギラギンにさりげなく、そいつがオレのやりかたである。



　

昨日の朝、まだ寒い職場でカタカタと仕事を始めていたら、おそでさんから携帯メールが届いた。「おたんじょうびおめでとう」うん、ありがとう…でも、ボク誕生日までまだ9日もあるんだけどな…とりあえず、礼を告げた上で訂正する内容のメールを返信する。誕生日をずいぶん過ぎてから「そういえばお誕生日だったね、おめでとう」と言われる事はたまにあったが、9日という日数としても微妙な時間フライングされるのは初体験だ。受けとったボクはニヤリと笑ったくらいの事だが、送ってしまったおそでさんは尻から火が出るほど恥ずかしいのでは？と考えてたらメールがきた。「あら、失礼！時空をとらえました！」とらえました？それを言うなら“時空を超えてしまいました”じゃないか？捕えてたら間違えないだろうが！まあ、改めてツッコミを入れて恥の上塗りをするほど野暮ではないので、指摘はしないでおこう（しかし、こうやってネタにしてしまってる事の方がよっぽど野暮）。話題をそらす為というわけではないが、ここ数日躁鬱がひどくベッドの中でミイラのように干涸びてる妻のことを思い出し「もし時間あったら、うちの妻の携帯にメールでもしてやってくれないか？最近元気ないんだよ…」と送ってみる。結局それに対する返信はなかったので、まあ気が向いたら世間話メールでも送ってくれてるかな？と思って仕事に戻った。

帰宅し、妻にひきづられたのか具合を悪くしたゼニの薬をもらいに動物病院にむかう道中、妻が聞いてきた。「今日おそでさんに何か言った？」一瞬ハッとしたが、とりあえず濁した「どうかしたの？」「午前中おそでさんから、いきなり長文メールが6通も連続して届いてさ～」思わず笑った。6通も連続でって、そんなわかりやすく異常事態発生とわかるような行動とったら「いったい何事か？」と勘ぐられるに決まってるだろうに…情の厚いおそでさんにさりげない優しさを求めたボクがバカだった！心使いもおせっかいも全力投球！そんなおそでさんが、スパイや忍者になれるわけなかろう…そんなことを思いつつ、メールの内容を問うと、小咄のようなオモシロエピソードがそれぞれ1話完結で6本きたとのことで、その1話づつに感想メールを書いてたら午後になってしまったと妻も笑って言った。「ホントに“うちのカミサンが元気ないからメールしてやってくれ”とかって言ってない？」と気にしてるので、朝ボクにきた“誕生日おめでとうメール”の話をしたら笑っていたが、「間違えたから、照れ隠しにあたしにメールたくさん送ってきたのかなあ？」とまだ頭をひねっている…そうこうするうちに動物病院につき、それ以上問い詰められなかったので、ここでこうしてネタにさせていただこうと思った次第である。

病院帰りに魚屋に寄り、妻の好物である刺身と寿司を買い与えて帰宅。コタツに入り、おそでさんのblogをのぞくと『時空をとらえました』というタイトルの日記があり、本文には「フライング！！！」とだけ書かれていた。やっぱり相当恥ずかしかったんだな…と思い、缶ビールをすすりながら笑った。おそでさん、お陰様であなたのメールの効果もあり妻はちょっと元気になりました！また、元気なくなった時に同じようなお願いするかもしれないんで、その時までに新作小咄の準備よろしくお願いいたします！

※画像は季節はずれです

　

『山形きそば消化機構』独立移転させました。一体いくつblogを持てば気が済むのだ？と自分でも思いますが、これがどうして蕎麦の道にもハマリ続けてるのでネタはたまるし、そればっか更新させてるとうちのワイフが「たまには普通の日記を書いてくれ」とか言うし、だからってまさか蕎麦レポートの後に写真入ウンコネタを載せるわけにもいかないし、なので思い切って『山形きそば消化機構』を独立させ、コチラはコチラで以前のようにのんべんだらりとくだらない妄想話を中心にグダグダ語らせていただこうと思う次第です。とりあえず新居『山形きそば消化機構』をよろしくお願いいたします。

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