ひどい気分だった。会社の仕事が詰り残業続きだった事に加え、妻の原稿締切日だった昨日をどうにか終え「これで一段落」という所でガクッと穴にハマってしまった…そんな感じだった。0時過ぎ、ベッドに入ってからも陰鬱とした気持ちは晴れず、妙な焦燥感にイラついたりして思わず妻に「もう、死にたいなあ~」などと口走ったりした。死にたいなんて、軽々しく言うのも聞くのも嫌いなタチなのに、そんな自分の言葉に軽く驚き、でも不思議と違和感がなかった。妻は驚いたようにボクの顔を見入っていたが、ハタと何かに気づいたように口を開いた。「オトウヤン、胃薬飲んで」

何言ってんだ?と一瞬思ったが、言われてみれば確かに胃がもたれてる気もする。しょうがねえなとベッドを出て茶の間で太田胃酸を飲み、再び横になって30秒であっさり寝入った。そういえば、昨夜は夕飯のパスタを食べながらキリンの新しい発泡酒を飲み、そのまま妻の実家からもらってきたイカの塩辛と、松前漬けを食べながら日本酒をチビチビと…松前漬けに入ってたこんなに大きなカズノコがさ~てな具合でそれを齧りつつチビチビ、カズノコをプチプチと…って、結局4時間ばかりあんな味の濃いものばかり食べてたんだもの、そりゃ胃もたれにもなるわ!寝つけずムカムカもするわ!あ~妻が気づいてくれて良かった。おかげさまで今朝はスッキリと目が覚めました。

debo.jpg

最近読んだ別冊宝島の『日本人のはまる健康の落とし穴』がかなり面白かった。メタボ!メタボ!と連呼してダイエット商品や健康食品を売りまくる商売の怪しさや、マイナスイオンやデトックスなどというイメージ先行のオカルトを科学的であるかのように伝えるテレビ番組には以前から違和感を覚えていたし、ネットで検索すれば「実際のとこは…」という情報は得られるが、こうやってまとまった形で読める物は今まで見た事なかったので興味深く読んだ。

別冊宝島のこうした「告発系」とでもいうようなシリーズは、ヘタするとページ埋めのためだけの揚げ足とり記事がチョコチョコ入ってたりして、テーマ自体は興味深い割に読み応えあったのはレポート2、3本だけ…という事が少なく無かったが、この本に関してはそれなりに地に足のついたレポートが並んでおり、「もう少し勉強してから記事書けよ」みたいな感想がほとんど湧かなかった。その上、「じゃあどうしたらいいの?」的な読者の感想を見越した(地味だけど効果ありそうな)健康法の紹介や、効果の期待できないサプリと共に効果が出やすいサプリとその理由…なんて記事もあって、正直言葉は悪いが「別冊宝島のくせに…」とさえ思ってしまった。

ネットが普及する以前は、怪しい情報やこうした告発系の雑誌は、嘘くさいネタや真実がごちゃ混ぜであっても、勢いよくタレ流していれば売れたのかもしれないが、今は検索すれば雑誌が喜んで記事にしてたぐらいのネタは知ることができるからなあ…こうして、ちゃんと取材した記事を並べ「じゃあどうしたらいいの?」にまで言及し、おまけに価格は下がって…と、本が売れなくなってるという昨今の状況の中、ふんどしを締め直した出版社のギリギリ感が垣間見えた気がする。