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60年代~現代を生き抜いた架空のミュージシャン“デューイ・コックス”の生涯を描いたコメディ映画。主演のジョン・C・ライリーが曲作りから参加し、実際ギターを弾き歌を唄っているので、コメディでありながら全編通して演奏の説得力はかなりのもの。エルビスと同じステージに立ち、ドラッグと女に溺れ、ビートルズ達とLSDをキメ(ポール役をジャック・ブラックが演じている)、ヒッピーにかぶれ、ボブ・ディラン風の曲を非難され、TVショーの司会を務め、何度もスキャンダルで騒がれ…やっとの事で人生の安息を手に入れた、年老いた彼の曲をヒップホップシンガーが音ネタとして使ったのがきっかけで注目され、グラミーで功労賞が与えられる事になり、ステージで彼の曲をカヴァーするのがジャクソン・ブラウン(本人!)で、改めて紹介されステージに立つデューイ・コックスと彼のバンドのメンバー(全員おじいちゃんでハゲ)が演奏する久々の新曲が、じんわりと暖かい普通にいい曲。

『オレンジ・カウンティ』の監督の作品なんだけど、この監督は表情とか間で笑いをとる通常のコメディのパターンをわざとはずしてくるような作風なので、この映画も「超笑えるぜ!」という感じではなく、どちらかというと後味はヒューマンドラマのような“ちょっといい話”を見たなって感じだったりする。DVDのオマケで、実在のミュージシャンが“デューイ・コックス”から受けた影響を語る特典映像が長々入ってるんだけど、そのしつこさには思わず「え?実在した人なの」とwikipediaで調べてしまったほど…嘘を作る本気度の高さを感じます。あと、よっぽど白ブリーフいっちょの男がラリって騒ぐシュチュエーションが好きなのか、『オレンジ・カウンティ』のジャック・ブラックに続きこの作品でもジョン・C・ライリーがパンツいっちょで失踪しています。

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