2010/12/01
朝7時起床、定時出勤定時退勤。退院後ジュンは、毎晩ベッドに入ってからペタペタと結構な時間をかけてブログを書いている。内容的に「大変であってもポジティブシンキングで頑張ってま~す」みたいな雰囲気のものが多く、それはボクから見えるジュンの闘病風景とあまりに掛け離れているよう感じたので、昨晩思わず「もう少し苦しんでる事も書いてみたら?」と提案した。あまり、辛い辛い連呼してるのも読む人を不快にさせるだろうけど、不安や苦悩を全部隠してしまうのも実際の自分と違い過ぎて、どんなに治療の事を詳しく記しても逆に嘘くさくなってしまうのでは?と思ったのだ。と同時に「ボクは自分のブログには、思い切り手術前後の辛さにピントを合わせて書いてみよう…」と閃いたのだった。

2010/12/02
朝7時起床、定時出勤定時退勤。ジュンが「生理がいつまでたっても終わらん…」と不安がってる。

2010/12/03
朝7時起床、定時出勤定時退勤。生理がおかしい事をジュンがブログに書いたら、同じ手術の経験者さんから「私も同じような感じだった」と体験談コメントをいただき、ホッとしていた。こういう時は、ホントに心から「インターネットばんざい!」と感謝の気持ちでいっぱいになる。まだ国内で200数名しかいないという、ジュンの手術の経験者が5人もネットを介して声をかけてくだすってるのだ。ジュンだけじゃなく、ボクにとってもどんなに心強い事か!

夜は『晩酌TV』!ボクは、AM3時頃に寝オチしてしまったが、ジュンは朝までしゃべっていたようで、寝室に来た頃にはベロンベロンに酔っていた。無理はさせないように見張ってるつもりが…激しく後悔

2010/12/04
休日。ジュンが起きない…朝まで呑んでたので、午前中は仕方ないが昼過ぎても起きないのはおかしい…というか、声をかけても反応が薄い。水も飲まないし、出前でとったラーメンを食べるよう言っても「食べれない…」とのこと。夕方になってもそんな調子なので、さすがにヤバいか?病院に連れてった方がいいか?と考えてたら、やっと目を開けまともな応対ができるようになった。それでも具合が悪く、結局ビロンビロンに伸びたラーメンを3回にわけてマグカップで与え、どうにか夜には復活した。ホント、呑み過ぎて再入院とか勘弁して欲しい…

そんなこんなで2人して丸1日ベッドにいたので、どっか出掛けたくて夜中にTSUTAYA行ってDVDを借りまくってきた。んで、DVD『南極料理人』鑑賞。細かいオモシロエピソードを若干わざとらしいくらいのシュールな感じでまとめてある、実話原作を基にしたコメディ。最後もキレイに回収される小細工があったりして、観後感がすごく気持ちいい。爆笑シーン連発!みたいな作品ではないけど、他人に勧めたくなるような雰囲気がある。ファブリーズのCMでピエール瀧の奥さん役やってる人が、そのままな感じで奥さん役やってるとこが個人的見所。



2010/12/05
休日。今日も1日基本的に安静に…午後に家の掃除をして、夕方から外出…義父に退院の報告をし義母の仏壇に手を合わせた。久々にすき家で牛丼…半分しか食べさせなかったが、ジャンクフードに飢えていたジュンは大喜び。帰宅後、DVD『マイマイ新子と千年の魔法』鑑賞。噂通り物凄く面白かった。観終わっても頭の中で物語りが続いちゃって止まらない!みたいな感じ。でも…続いてった先の物語は、あまり明るくない未来だった。貴伊子の父が勤める会社は倒産するし、引っ越していったタツヨシはチンピラに成り下がる…そんなタツヨシと父の大学で歴史を学ぶ新子は、街で再会し恋愛関係になるが、互い解りあえず傷つけ合うだけの悲しい恋に終わる…みたいな



2010/12/06
朝7時起床、定時出勤定時退勤。帰宅したら、見舞いに来てくれていたなおなおがちょうど帰るとこだった。久々になおなおに会えたジュンはテンション高くはしゃいでいたが、腹減ったからと白飯と適当なおかずで食事をはじめたボクと一緒に、明太子と唐辛子和えのネギを白飯にのせて食べだした。「おいおい、食事制限で刺激物は止められてるでしょ?」と注意し、どうにか半分でやめさせたが、思えばこの時から何かおかしかった。買い物に行き「さっきは明太子食べられなかったから、好きな刺身を買っていいから」と言うと喜んで魚と貝を選んでいた。貝も消化悪いが、少量なら明太子よりはマシだろう…

帰宅してDVD『Julie & Julia』鑑賞。1970年代に活躍したTV料理ショーの破天荒なおばさん司会者のレシピ本に掲載された全レシピを1年かけて再現するというチャレンジをブログネタにしたブロガーの話。おばさん司会者と自分の人生を重ね合わせたりして、良い話風にまとめているが全然…主人公の食事や料理に対する愛情が感じられず、ただ数をこなすゲームをしている様で微妙。ブログに関しても、デジカメ持ってるくせに写真掲載しないとか、読者から自宅に色々プレゼントが贈られてくるとか、リアルさがなく実話を基にしてるってホント?って感じ。

映画見る方に気がいってて、ハッと思ったらジュンがソーダで焼酎割って呑んでる!炭酸も食事制限で控えるように言われてるのに…しかも、今日買ってきたマテ貝を全部食べちゃってる!慌ててグラスを取り上げ「ダメでしょ!」と叱るが、映画見終わった頃に「お腹…痛いかも」とうずくまる。おいおいおい!と怒鳴り罵り、慌てて横にさせ、寝室のストーブをつけ、風呂は今日はいいからとベッドに運ぶ…泣きたい気持ち。食事制限のストレスは小さいけど、確実にある…そして、何かをきっかけに決壊する。ダムから溢れた水は自分で自分を傷つける。でも、そんなところまで本人に完全管理させるのは酷だ…もっとボクが注意すべきだった。



2010/12/07
朝7時起床、定時出勤。昼はジュンが心配だったので帰宅して一緒に食事。定時退勤。DVD『かいじゅうたちのいるところ』鑑賞。見終わってから色々考えさせられる作品…いや、映画の内容というより原作の解釈の仕方や着ぐるみかいじゅうたちはアレで良かったのか?みたいな事を…でも、CGならいいかと言えばそんな事ないだろうし、アニメならいいかと言えばそうでもないし…絵本のままで良かったんじゃない?っていうのが一番ピンとくるかもしれないけど「それを言っちゃあ~」だし。変な話だけど、映画自体よりも子供と一緒にこの作品を観てきた両親がブログとかで「うちの子、こんな反応してた」みたいな文章をいくつか見かけたんだけど、それらが秀逸だった事を思い出した。映画って気まぐれな鏡のようなもので、時に不思議な場所を照らしたり、おかしなものを写したりする…鏡の前に立っているのは、いつも自分自身なのに