地区会役員だった今年度の〆として、研修旅行に行ってきた。旅行と言っても我が地区から車で15分の市内温泉旅館に泊まるだけの話なので手ぶらで現地集合現地解散、気楽なものである。にしても、色々ゴタゴタの続いた去年…我ながらよくぞ1年間組長を勤め上げたものだと思う。ジュンの入院と市報配布や地区会費回収が重なった時は、ちょっと泣きが入ったけどな。

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温泉旅館らしい夕飯の後は2次会に…と、寂れた繁華街のスナックへと繰り出した。いつもジュンとこの界隈に遊びに来ても居酒屋や中華屋にしか入らないので、こういう機会に地元民である人生の先輩方オススメのスナックなんかに行けたりするのを少し期待していた。

1軒目は、ピグモン似のおばちゃんとミニスカートを履いた45歳の娘さんが切り盛りする店…近所の大きな中華飯店のマスターが厨房着のままカウンターで飲み、歌っていた。歌…うまいんですね。思ったのは、やはり年配の方々は演歌が好きで好きでしょうがないのね…そんなにか!ってくらい、たぶん10年分は聞いたと思う。お決まりだが、最後は酒癖の悪い客が入ってきて大声で騒ぎはじめたので「それじゃ、そろそろ…」と店を後にした。酒癖の悪い客は我々の手を取り「俺のせいで帰るのか?ゴメンな、ゴメンな」と淀んだ目で詫びた。「ちがうよ、もう遅いから…お先に」と店を出た。

2軒目は、地区会長の行きつけ「フィリピン行こう!フィリピン!」と元気よく裏路地に入って行ったので、薄着のフィリピーナが「オニサン、イラシャーイ!イラシャーイ!」と腕に絡んできたりする店か?そ、そんなとこに行ったのがジュンにバレたら殺される!とか思ったのだが、普通のスナックで所謂ママさんがフィリピン出身の女性という店だった。しかも、週末は他に女の子が何人かいるらしいが来客の少ない日曜はママさん1人だそうな…ここでも先輩方は演歌!演歌!自分としては、もう少し我が地区の昔話なんかを聞いてみたかったが、大音量演歌に阻まれそれも叶わず。ふとましいフィリピーナは、ボクと同い年43歳で、18歳の時に日本に来たという…こうなるともうほとんど普通に日本のおばちゃんである。自分の子供にフィリピン語をまったく教えなかったので、里帰りに連れて行ってもおじいちゃんおばあちゃんと全然コミュニケーション取れなくて悲しい、ほんの少しでも教えとけばよかった…という話しが印象的だった。

実家を遠く離れて暮らしてる事もあり、自分と同い年の女子が今どんなオバサンになってるか?というのをボクは全然知らない。小学校の同級生も中学時代のガールフレンドも皆、ボクの記憶の中では少女のままだ。失礼極まりない話しだが、是非一度お会いして愕然としてみたい…そんな思いがここ数年あったのだが、計らずして同年代と言っていい女性2名に会う事ができ、なんていうか…面白かった。産まれ育った場所は遠く離れているが、積み重なったコマの数は皆同じだ。同い年の仲間が、こうして夜の街で頑張ってる…そう思うだけで、不思議と心のどこかが楽になる気がする。1軒目はアレだが、2軒目のふとましいフィリピーナのとこには今度ジュンを連れて来たいなと思った。トイレの壁が薄くて、カラオケかかってないとき用を足してると「ジョボジョボ」って聞こえちゃう店だけどな…

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朝はやはり二日酔いでゴハン1杯しか食べられず。帰宅前に先輩方(ちなみに、役員の中でボクが最年少)が、それぞれ鞄から小型シェイバーを出し一斉にヒゲを剃り始めたのが面白かった。これから皆、車で帰るのに!たった15分で家に着いちゃうのに!それでも律儀に身だしなみを整えるとは…これもひとつの“旅のルール”ってやつなのかしらん?意味を超えた習慣が平常心の自分を作り出す…そんな教えを得た気がした(たぶん気のせい。