そんなわけで3月後半、ジュンと3泊4日の台湾旅行に行って来た。毎年通っていたタイ仕入れ一週間旅行とちがい、日程も短いし仙台空港利用だったのでかなり気ラクに行けた。仙台発台北桃園空港行きの飛行機内は、ほとんど中高年旅行者ばかりだった。目的地的な理由もあるのだろうけど、海外旅行はお金と時間のある定年おじさんおばさん独占になりつつあるのかもしれない。

ワインをいただき機内食をつまむ…可もなく不可もない。

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機内で、映画『ステキな金縛り』鑑賞…中井貴一と愛犬のシーンで涙ぐむ。ずいぶん三谷幸喜の映画に影響されてる作品だなと思ってたら、エンドロールで“監督 三谷幸喜”と出てきた。観終わったタイミングで空港到着。今回、HISのツアーを利用したのだが、同じ時間帯に到着する複数空港発のツアー客をゴソッと運ぶらしく、結構到着ロビーで待たされた。

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大型バスに詰め込まれ、桃園空港から台北市内まで約1時間の移動。車窓から見える夜景に目をこらすが、日本ほど明るくはなくタイほど雑然とはしておらず…な印象。台北の街に入ると、鮮やかな提灯がズラリと並んだ大通りが目に入りワクワクした。ホテルに荷物を降ろしスグに街へ…最寄りの地下鉄駅に行き、早速あらかじめ日本で手に入れてた台湾のSuica的なカード『悠遊カード』にチャージを…と思いきや、紹介してるサイト等だと「簡単にチャージできます!」と書いてあったが、案の定(難しいまで言わないが)簡単ではない。英語と北京語で説明が表示されるのだが、どちらも超ボンヤリしか理解できないので勘で入金…どうにか無事にチャージできた。

地下鉄を乗り継ぎ、台北最大のナイトマーケット(夜市)である『士林夜市(シーリンイエスー』に到着。平日だったので、聞いてたほど人が溢れてはいなかった…キョロキョロしながらズンズン歩く。タイの市場を歩き回っている時もそうだが、こういう時は“相場掌握欲”とでも云うべき欲望が刺激され脳内麻薬が迸って興奮してくるのだ。知らない国の知らない物についてる値段が、あらかじめ調べてあった相場に近いものもあれば意外な値段のものもあり、そのひとつひとつがリアルな情報として脳内に蓄積され、どんどんボクの相場帳が書き換えられてゆく…

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タイの市場で仕入れしている時も、純粋に良い服かわいい雑貨を探す事に集中してるジュンに何時間も付き合い一緒に歩いていられるのは、この“相場掌握欲”が働いているからに他ならない。もちろん日本でも、用なくスーパーを4軒5軒ハシゴするのは苦でない…足早に売場を歩き値札に目を走らせるだけで、妙な充実感を得られるのだから。

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とりあえずビールを飲みたかったので、「良さげな店があったら、そこに入ろう」と話しながら30分ばかり歩いた。通りの両側にズラリと並ぶ屋台や飲食店から漂う美味しそうな匂いや、そうでもない臭いに心乱されつつ腰を降ろしたのは、若いお客さんで混み合ってるレストラン?定食屋?の屋外席…ブロークンな日本語と英語で話し掛けるが、憮然としたまま注文票を手渡される。どうにかビールを頼み、料理を数皿注文。

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翌日くらいに気づくのだがこの店、タイ料理の店だったのよね…どうりでラーメンはトムヤム味だし、料理の盛り付けもタイと似てたわけだ…店を後にし、また市場を歩く。飲食屋台の相場は日本の半分から2/3くらいな印象…50元(約150円)とか100元(約300円)といったキリのいい値札が目に入る。衣料品や雑貨で、思わず手にしてみたくなる物は少なく、金額的な割安感も大きくない。

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『士林夜市』名物のひとつである巨大フライドチキンをいただく。ボクの顔ほどもある大きさで約150円、塩コショウがベースであろうややぼんやりしたスパイスが振りかけられている。おもしろい。

裏路地も含め2時間ばかりグルグルと歩き「大体わかったな」「な」というわけで、再び地下鉄にのってホテル最寄りの駅へと帰った。ホテルから徒歩圏内の夜市『雙城街夜市(スァンツァンジエイエスー』でググッと飲んで、酔っぱらったらスッと帰ってバタンと寝ちまおうと、士林よりはずっと小さな夜市を歩く…ビール置いてありそうな屋台を探すが、これが不思議と見当たらない。お客さんもほとんど食事だけしてるようだ…たまに飲んでる人は、店の人間だか客だかわからないようなオヤジばかり。まいったな…と思っていると、「食べてきな」と日本語で声をかけてくれたおばちゃんがいたので聞いてみる。「ビールある?」「ないよ」「え~」「そこで(コンビニを指差し)買ってきな」と笑い、屋台にくくりつけられた栓抜きをヒラヒラを揺らして見せた。

結局、コンビニで買ってきた瓶ビールを直飲み(グラスが無いことに気づかず)しながら、ジュンが食べたかったというその店の麺線(ミェンシェン)と台湾の庶民食である魯肉飯(ルーローファン)をいただいた。

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麺線は、そうめんを茹でた鍋に鰹ダシと醤油を入れ一昼夜放置したとこに牡蠣と豚モツを投入したようなチュルチュルズビズビ特殊麺、魯肉飯は豚スジ肉を醤油等調味料で甘辛く煮たやつをドンブリ飯にバシャッとかけたやつ。日本人の口にとても合うが、美味しいかと言われると曖昧な笑みを浮かべるしかないよう思った。隣の屋台の水餃子が気になったが、あいにく売り切れてしまった…

ホテル横のセブンイレブンでビールを買い込み、やっと部屋に落ち着き、シャワーを浴びてベットに横たわりビールをグビッてとこで爆睡。