結局、人工受精を4回やった。7月にやった4回目がダメで、8月はマルッと休んで(病院のお盆休みとの兼ね合いもあって無理だった)2人でガッツリ遊んだ。9月は体外受精の準備の為にマメに病院へ通い、ホルモンバランスを整えるために点鼻薬が処方されたり、自己注射を覚えたり…ジュンには、かなりハードな日々だった。ホルモンを薬でドーコーされているジュンは怒りっぽくなり、治療なのだから仕方ないとボクも耐えていたが、ついに互いにブチ切れ9月に大喧嘩をした。「そんなに嫌なら、もう(体外受精)止めよう」とまで言ったが、どうにか不妊治療中止は免れた。

10月に入ってからは、ほぼ毎日通院…ボクと一緒に、ジュンひとりで、友達のえっちゃんに連れてってもらった日もあった。仙台までヒーコラ通って卵胞を育て、11日に採卵!全身麻酔をしたので病院に一泊。で、16日に受精卵を胎内に戻し、どうにか体外受精完了…31日の検査まで結果はおあずけ。

厳しいね…そうじゃないかと思ってはいたけど、厳しい戦いだ。夫婦で戦ってるつもりだったけど、ボクはピルも飲まなきゃ点鼻薬もしない。毎日自己注射する事もなけりゃ、病院に行ってもお医者さんの前でパンツを降ろす事もない。通院に付添って待合室で居眠り、帰りに美味しいものを食べて、たまに精子を出すだけ…あげく「そんなに嫌なら止めよう」とまで言ってしまっている。

人生が不公平なものだというのは知っていたが、妊娠がこんなに難しい事とは知らなかった。採卵の翌日、ボク達は結婚10周年を迎えた。おめでとうのメッセージと共に優しい友人達が「体外受精きっとうまくいくよ」「ここまで頑張ったんだもん、きっといい結果がでる」と暖かい声をかけてくれる…

ボクとジュンは宝くじ売場の前に佇んでいる…ポケットから一枚きりの宝くじを出し、窓口のおばさんに当選確認をしてもらう。「どうせ当らない」と強がりながら、心のどこかで「もしかしたら…」と変な閃きを感じ、でもやっぱり絶望しながら立ちすくんでいる。あわよくばバンザイする事になっても、ガックリとひざまずく事になっても、握りしめた手は絶対に離さないでいようと思う…もう二度と、絶対に。

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