今回の沖縄旅行で、ジュンが「絶対食べてみたい」と言っていたのが、山羊刺しだった。ネットで調べた人気店、早めの時間に伺ったつもりだったが、残念ながら満席!店のおばちゃんが「2時間くらい散歩してから来て~」とカウンター越しに笑う。小雨降る中、ホントに1時間ばかり街を歩くが、空腹と喉の乾きMAXで険悪なムードになってしまい人気店を諦め別の店に…で、無事入れたのがモノレール安里駅近くのこのお店。

長いカウンターと、その奥のカラオケの機械…場末のスナック?といった雰囲気だが、カウンターの中の元気なおばちゃんに促されるままに席についた。オリオンの生と、何はともあれまずは「山羊刺し」!

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山羊刺し(1人前1,200円)…驚くほど美味しかった!生肉好きな嫁に付き合い、かなり色々な生肉を食べてきたが今迄で一番美味しい生肉だと思った。生肉刺しの評価で必ず言われるのが「生臭いか?臭くないか?」だが、臭くないならないで味気なく、面白味に欠け「美味しい」には繋がらない気がする。その点、この山羊刺しはちゃんと肉に旨味が…ジンギスカンで香るような独特な旨味を感じることが出来る。タレのショウガ酢醤油の味が咀嚼と共に薄れると、噛むごとに旨味がどんどん強くなり「いま自分は山羊を食べてる!生で!」という思いが強くなるのだ。

柔らかい赤肉部とコリコリした皮部がセットになって切られているのもいい!あまり美味しいので、泡盛と共にお替わりしてしまった。肉の下に見慣れない葉っぱが敷かれていたので、おばちゃんに「コレ何ですか?」と聞くと「ヨモギだよ」と言い、我々の皿のヨモギを何枚かつまむとギュッギュと揉んでタレをつけてパクリ。我々も続けて真似てみたが、強烈な草の存在感!おばちゃんも苦そうな顔してた…でも、ホントに山羊料理にヨモギは付き物らしい。

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おばちゃんも隣席のじいちゃんも山形の話題を興味深そうに聞いてくれ盛り上がった。じいちゃんの「こういう、旅行に来て地元の人間と話し弾むの楽しいだろ?」という言葉が、嫌味じゃなく素直に伝わる。ボクも山形で県外の方と居酒屋で同席すると、同じような事を考えるもの。

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おばちゃんが「これ良かったら食べてみて」と出してくれたモズクの天麩羅やソーメンチャンプルー、何だかんだお代に入ってるんだろうな…と思ってたが、会計時に入ってない事がわかってビックリ!逆に悪い気すらしてしまった。たった一合の泡盛を注文するのに「オススメありますか?」と質問したら並んだ泡盛一種類ずつ細かく説明してくれたり、お替わりの山羊刺し半量でいいなと思い「オカーサン、ちょっとお願いあるんだけど」と声かけると「なに?なに?」とカウンターから身を乗り出してきてくれたりと、情の深さがいちいちハンパない!

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酒場を渡り歩く者には、ある意味挨拶のようなものだが、帰り際の「また来ます」がこれほど力強く口をついて出たのは久々かもしれない。ホント、行けるものなら今夜も行きたいと思ってしまう居酒屋だった。

住所/沖縄県那覇市安里388-6
時間/17:00~翌3:00